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(シェル・ド・グランド)
リビア湖の渕に腰をおろし、足を水面につけ湖を眺めている。若い女一人と大きな海竜が一匹。
【マジェル】
ねぇ、ガーゴ私の想い出は人の何倍も何十倍もあるのよね…。悲しい想い出も、嬉しい想い出も、これから先いっぱい…。
だから一つくらい忘れてしまう事もあるんだと思うの。
だけど、どうしても忘れたくない…忘れちゃいけない事もあるはず…。
なのに私はどうして?
1番失くしちゃいけないもの失くしちゃったの…。
【海竜ガーゴ】
マジェル…。大丈夫!きっとそのうち見つかるよ。
俺が側に居て君を護るから、思い出すまで俺はずっと生きるから。
そんな哀しい顔をしないで!ね、マジェル。
【マジェル】
ありがとう…ガーゴ。二人の約束よ。ずっと側に居て、一緒に捜すの。
私もガーゴを助けるわ。どんな事が起ころうと絶対…。
ガーゴいつもの唄を歌ってあげる、さぁ行こう! 立ち上がり、そのまま勢いよく水面に飛びこむ。すると、七色に光る気泡がマジェルの身体を包みこみ、何かを呟くと人間の姿から人魚の姿へ戻す。
ガーゴもそれを追い、大きな水しぶきを上げ飛びこむ。
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