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その光りの筋は、ダーウィン城を目指し城全体を包み込むように降り注す。
白く幻想的な光りの中に、銀色に輝く一匹の大海竜の姿が浮かび上がり、城のゲイル達の心に直接語りかける…。
【海神バウル】
……Seagleを治める者よ…我に祈りを捧ぐ者よ…
……今この世界に生まれし……小さな希望の光り…マジェルよ……御主の力を永遠のものとす……
…先に立ち阻む運命と共に……手にする光り……
悲しきも美しき光り…
……この海神が…見守ろうぞ……我が化身ガーゴをマジェルに与え……共に未来を………
(光りの中より、小さな海竜が現れ、まばゆい輝きを放ったかと思うと、マリアスの腕の中に納まる)
【ゲイル国王】
おぉ…海神様なんとありがたき宝を…。
【マリアス妃】
…なんと美しく、勇ましい瞳をした海竜の子でしょう…。
(腕の中のガーゴを見つめ微笑む)
【海神バウル】
……貴方らの国に平穏を…マジェルにSeagleの未来を……
(そう語ると、海神の姿が徐々に輪郭を無くし光りの中に消えてゆく)
差し込んでいた光りが、徐々にぼやけ海の蒼さに溶け込むように消えた。
ゲイルやマリアス、大臣や付き人は頭を下げ海神に感謝の意を表す。
【ゲイル国王】
ジル、ガーゴを大切に扱い常にマジェルの傍に置くように皆の者に伝えてくれぬか。さぁ、マリアス…ガーゴにマジェルを見せてやってくれ!
【ジル大臣】
了解致しました。すぐに手配を!
【マリアス妃】
はい。(ガーゴをマジェルの傍に近付け)
ガーゴ、この子がマジェルよ。どうぞ宜しくね…。
【ガーゴ】
キュ…キュ……
(真紅の瞳で寝ているマジェルを少し覗きこみ、又マリアスの顔を見あげ、キュ~キュ~とめいいっぱい大きい声で鳴いた)
これが、海神の子・海竜とSeagleの姫との出逢いである。
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