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降り出した雨は勢いを増して
焼けたアスファルトを冷やしていく
傘を忘れて雨宿りしてる貴女を見つけた
ずぶ濡れで恨めしそうに空を見上げてる
ふと目が合うと貴女が気まずそうに笑って手を振る
つられて僕も手を振って貴女の側へ
濡れた髪
首筋を伝う雫
思わず見つめてしまう
喉の奥が乾く感じ
呼吸も忘れるくらい
貴女を瞳に焼き付ける
とても綺麗だから…
言葉にする勇気がなくて
黙って傘を手渡した
戸惑う貴女を放って走り出す
土砂降りの中をひたすら
雨に濡れるのは嫌い
ただ今日だけは
とても嫌いじゃない
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