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さぁて、どうしたものか。
俺はいろいろと試行錯誤しているわけだ、桜霞ちゃんのニックネームについて。
桜霞ちゃんの方からは案は全くあがらず、俺に全部任せるとのことだ。
うーん…
桜霞…
おうか…
オウカ…
桜…霞…
桜、霞。
これだ!!
俺は頭の上に豆電球が光りピコーンという謎の効果音が鳴ってもおかしくないくらいのヒラメキをしてしまった!!
俺って実は天才?
「桜【サクラ】ってのどうよ!?」
「桜?…」
「そう、今の桜霞ちゃんが桜。
そんでもう昨日のもう片方の桜霞ちゃんが霞【カスミ】!
どう?」
「さく…ら。
なんか素敵だね!!
うん気に入った!」
「じゃあ改めてよろしくな、桜!」
「うん!
…でももう一人の私は人間嫌いだからニックネームとかで呼ぶと怒ると思うよ?」
「平気、平気!
根性と執念でなんとかするさ」
「…そっか」
こうして二人きりの時間はどんどん過ぎていった。
もう少し、もう少しと思えば思うほど無情にも時は流れていってしまうもの。
俺は時折見せる桜の寂しげな表情を気にかけながら、流れゆく幸せな一分一秒をしっかりと味わっていた。
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