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昼休みの一件の後、桜は終始もうしわけなさそうな表情をしていた。
桜のせいじゃねーよ、と言っても曖昧に頷くばかり。
何故か責任を感じてしまっている桜。
ふーむ、あの程度じゃ根本的な解決にはならないだろうからな…
ようは桜をクラスに馴染ませてやれればいいんだが。
そのためには桜よりも、もう一人の桜、霞の方を何とかしねーとな。
……って何で俺は桜のことばかり考えてるんだ!?
「和生!!
お前何ぼーっとしてんだ、次お前の番だろ!」
グランドに怒鳴り声が響く。
「すいません!!」
俺は急いでスタートした。
そう、今は部活中だ。
走っている最中にも桜の顔が浮かんでしまう。
あーもう!!
これじゃダメだ!!
俺は無心になろうと、がむしゃらに走った。
「はぁ、はぁ」
走り終えて肩で息をしていた俺に元が近づいてくる。
「どうした和生
タイムも悪いし、フォームも、無茶苦茶だぞ。
病気か?」
「うるせえ、
なんでもねーよ」
病気っちゃ病気かもな。
昔の人も上手いこと言ったもんだよな…
『恋の病』ってな。
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