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結局この日は部活に身が入らず、先輩に怒られまくった。
それからいつもと同じように元と一緒に下校。
桜はまだ部活に所属していないので下校時間が合うことはない。
俺に絆創膏を渡してくれたあの日は、転校初日で、職員室でいろんな資料なんかを渡されてたので帰りが遅くなったらしい。
その話を聞いた時、俺は心の中で密かにその偶然に感謝した。
だってあの時に校庭で出会わなかったら、こんなに早く、二人の距離が縮まることはなかっただろ?
まあ、俺がしつこく追いまわしたってのもあるけど。
俺はベットに寝転び、天井から俺を照らす照明を見つめた。
俺の部屋は殺風景で、物がほとんどない。
机と、ベットと、申し訳程度の本棚。
そんな部屋ん中で俺は無意識のうちに桜を想像する。
その想像を打ち消そうとすればするほど、俺の頭の中は桜でいっぱいになる。
どんなに頑張っても、それは消えてくれない。
今日、初めて会話らしい会話をして、たくさんの表情の桜を見て、どんどん惹かれていった。
最早、非のうちどころもない。
完璧な恋の始まりだった。
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