霞と桜

2/21
前へ
/151ページ
次へ
  ―翌朝―   昨晩は結局あのまま寝ちまった。   なんだかんだで眠りについたのは夜遅く。   俺の目の下には大きな隈があった。     「はぁー、眠い… かったりいなあ」     俺は鏡を見て、顔を洗い終えると呟いた。   でも、ちょっと待てよ?   学校に行けば桜に会えるじゃねーか!!     「かったりいとか言ってる場合じゃないな」     俺は歯を磨き終えると呟いた。   しゃあ!! 今日も張りきって学校行ってみましょうか。   俺は急いで準備を済ませると元気良く家を飛び出した。   時間的にはいつもよりちょっと早いくらい。   昨日よりは、遥かに遅い。  つーか昨日の俺はバカです。 今日は桜もあんなに早くは登校しないだろう。   何の根拠もないが、昨日の桜を見る限りでは、少し元気になったみたいだったからな。     「ルンルンルー」     鼻唄を歌いながら、スキップで学校に向かう俺。   登校中の小学生に、うわー何この人、みたいな目で見られるが気にしない。   恋の病の前には、小学生の視線など無意味に等しい。  今日も、桜のいるすばらしい一日が始まる…… と、この時は思ってたんだ。
/151ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2818人が本棚に入れています
本棚に追加