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桜と霞、全くもって対照的な性格を持つ彼女たち。
そんな二人が一つの体を共有してるんだ。
桜がみんなと仲良くなりたくても、霞がそれを邪魔する。
桜はみんなを受け入れたくても、霞は全てを拒絶する。
桜も霞も、その瞳に宿した寂しさの色は同じ。
誰かが霞の心の氷を溶かしてやらなきゃなんない。
じゃないと桜はずっとあのままだ。
ずっとあの寂しさを秘めた瞳のままだ。
つーわけで…
「なあ、霞って呼んでもいいだろ?」
「だーから、さっきから何回も嫌だって言ってるでしょ!?
それ以前に私に話しかけないで!」
現在、俺は霞と交渉中だ。
授業が始まるまで、まだ時間がある。
結構早めに学校に来たからか、教室にはまだクラス全員の半分程度しかいない。
「別にいいじゃねーかよ。誰にも迷惑かけてないだろ!?」
「私にとって非常に迷惑なの!!
ほんとアンタはしつこいわね」
「これが俺の性分なんだよ」
「いい、アンタみたいなのを、お節介って言うのよ。
自分は良いことしてるつもりでも、こっちからすれば迷惑以外の何ものでもないから。
お節介とか、ウザイから早々に消えてくれると助かるわね」
交渉は難航中です。
最早、会話すら難航中……
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