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意に反して、
だんだんと 自分の気分が高揚して行くのが、わかる。
完全に、
好奇心の虜となっている。
「私は お前だ」
周囲に、響き渡る低い音色の、楽曲のような声が告げる。
「幼いき頃に 閉じ込められた、お前の 半身だ」
訳がわからない、
言葉の内容も、この状況も。
「怖いと想う、そのココロが、真実から目をそらせ、無用な焦りと恐怖を産むんだ」
祖父の言葉が蘇る。
「オレの半身?幼い頃の?」
自分を落ち着かせるように、
言葉を反芻しながら、
その 意味を考える。
「そうだ。
幼い頃 祖父と引き換えに、
心の奥底の イドの闇に
封じられた 力だ」
! 引き換えに!?
いったい
なんの事だ?
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