6人が本棚に入れています
本棚に追加
とりあえず、
2つの石を布団にならべて、
口元にシューシューと、
しつこい位に酸素を送り込んでくるマスクを外す。
息苦しさにも似た呼吸のしずらさは多分、
背中から腰に走る鈍痛が原因だろうか?
痛みのせいか、ずいぶん呼吸が浅くなる。
口内のネバつく感じが、事故から数日は、経過しているのを伝えてくる。
「事故っちまったんだなぁ」
そうつぶやきながら、
少しでも楽な位置を探して、座りなおそうとした時に、
胸のコードがひっかかり剥がれおちた。
ピィー―――――
鋭い電子音に、
反射的に振り向き、たたき付けるようにスイッチを切る。
痛みを忘れる程の緊張感。
蘇る悪夢………
誰か飛び込んで来るんじゃないか? と、入口のドアを凝視する。
緊張のせいか、
速まる呼吸にあわせて、
肺から脇腹にかけて、
酷い痛みが走る。
最初のコメントを投稿しよう!