プロローグ

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「こ…これは!」  ここは僕、木戸行康(キドユキノリ)が通う公立校、秋明高校(シュウメイコウコウ)の一階下駄箱。  一年生からギリギリで二年生へと進級できた僕は今日、つまり春休み明けの新学期初日から寝坊してしまったため、周りには僕以外誰も居ない。  急いで靴を履き替えて、新たな僕のクラス、二年四組に向かおうと、新しくなった自分の靴箱を捜しだし、勢いよく開けた。  そこで僕の行動はフリーズした。  なんと僕の靴箱の中には… 「ラ、ラブレター!?」  可愛らしい封筒が三通、入っていた。  それぞれ赤、青、ピンクの封筒。それが僕の靴箱に!  これをラブレターと言わずになんと言おう!  いや待て落ち着くんだ僕!  年齢=彼女いない歴の僕にラブレターなんてハイウェーブな物来るか?しかも一度に三通も!差し出し人が入れる場所を間違えたかもしれないじゃないか!  こ、ここは冷静に宛名の確認を…… “木戸 行康様” “木戸 行康へ” “木戸 行康” 「キターーーーーーー!!!」  はっ、しまった!  思わず大声を挙げてしまった!  今の時間帯は恐らくHR中、教師共に見つかると何かと面倒だ。  ここは一度呼吸を整えて…… 「スーハースーハー」  よし!  僕は震える手でもう一度宛名を確認する。
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