序章 フールとフールィッシュ

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「フール」。これはあらゆるものの生命の源であり、球を形作るエネルギー、言わば、魔力の塊のようなものである。因みに「バカ」という意味ではない。このフールの力によって、長年平和な国があった。 それはこの物語の舞台である「ファニ」という国。この国は王都「フェントゥ」を中心に魔法文明と金属文明が発達していて、ある一つの戦争を除いて、目立った争いが起きていないほど平和だった。以下は古代ファニの話である。 今から千年前…。まだファニは統一されておらず、広大な自然の他には、各地に点々と村が存在するだけであった。そんなファニに突如「宇宙生物」が襲来した。宇宙生物は多種多様であるが、その中でも特に凶暴なものがファニを侵略すべく、侵攻してきた。ファニの人々はそれに抗戦する。そしてファニの人々と宇宙生物の戦い、「ファニ大戦」が始まった。 ファニの人々は奮闘するも、宇宙生物の圧倒的な強さに為す術もなく、ファニに在する大量の命が奪われていった。それだけでなく、自然や人々の住処も次々に破壊され、自然の生態系は狂い、ファニは壊滅の一途を辿っていた。 誰もが、ファニは宇宙生物に侵略される、と絶望しかけていたその時! 一人の青年に率いられた人々の集団が現れた。彼らは自らを「フールィッシュ」と名乗り、これを率いていた男はフールィッシュを創始した青年で、名を「ゴクゥ」といった。因みにフールィッシュとは、フールの力によって宇宙生物を討伐することを目的に結成された集団のことで、決して「バカバカしい」という意味ではない。 そしてフールィッシュは、ゴクゥを筆頭に宇宙生物と激闘を繰り広げ、遂に敵の総大将を封印することに成功した。これにより、実質、ファニ大戦は終焉を迎えた。だが、まだ宇宙生物には残党が残っていたので、フールィッシュと宇宙生物の戦いは後世まで続くことになる。 この物語は、それから千年後の世界の話である。
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