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どれくらい泣いたのか
泣き過ぎてまともに呼吸
すら出来なくなっていた
『ルークッ』
『Σッ!!』
聞き慣れた声
『ガイ…ッ///////』
顔を上げるとソコには
険しい顔をして俺を見る
ガイの姿があった。
怒…られる…っ?
数年前の話だがガイが心配
すると解ってて自分から
屋敷を出た事がある。
小さかった俺はすぐに
見つかってしまったが
夕方頃に屋敷を出たから
見つかった時間は日が
沈んで周りが暗くなった
頃だった。
見つけたのはやっぱり
ガイで俺はいつもどおり
笑って誤魔化したら
ガイに本気で怒られた。
俺が屋敷を抜け出した
理由は師匠と剣術の稽古
が出来なかったから…
ガイは俺が剣術の稽古を
してる時はいつも側で
見ててくれた。
俺が剣術の稽古が好きだ
ッテ事は屋敷の中でガイが
1番知ってる。
今もよく言われるけど
この時初めて言われた。
『俺を頼れ』
ガイが俺を怒った理由は
屋敷を抜け出した事では
なくガイを頼らなかった
事だった。
それからガイは父上に
頼んで師匠が稽古に来ら
れない時は代りに俺の
相手をしてくれるように
なった。
久しぶりに見たガイの
怒った顔。
色んな感情が溢れ込んで
また泣きそうになった。
泣くなっ…泣くなッ!!!
あの時みたいに笑えっ
笑って…くれ…よッ
俺はガイを見上げながら
笑いながら涙を流した。
カッコ悪ぃ…
何て怒られるんだろう
ゆっくりと近付いて来る
ガイの足音
俺は覚悟を決めた。
『辛いならスッキリするまで
泣けば良いだろ?』
ガイは怒るどころか
その場にしゃがみ込んで
俺の頭を撫でてくれた。
『…ッ…怒らね-の…?』
『何で俺がルークを怒る
必要があるんだ?』
ガイはいつもみたいに
優しい顔をして俺を
笑って見ていた。
さっきまで険しい顔を
してたのが嘘みたいだ。
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