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そして、イベント開催当日…
トントントン…
司会者がステージに上がった。
「えー皆さん、このイベントに参加して頂きありがとうございます。本当に貴方達は偉い…」
男性はボソボソと話す
(あの、司会者~大袈裟に言い過ぎしかも、結構参加してる奴いっぱい、いるなぁ~…俺この為に会社を休んだんだっ!!絶対残ってやる!!)
冥は心で呟く
「参加者なんと、50人も来てくれました。本当に有り難い…では、ルールの説明をします。チラシでルールを見た人もいますが、念の為もう一度説明します。この大会では私達が出す鬼から逃走して下さい」
司会者はチラシに書いてあったルールをもう一度説明する
(なんか、あいつの言ってる鬼てっ…本当に鬼が出るてっ感じの言い方だな…)
冥は不思議そうに司会者を見た。すると司会者は
「えー逃げる範囲は…街全体で行なってください」
司会者が言い放った瞬間全員が固まった。
「は?」
「おい!どうゆう意味だ?範囲が街全体??お前そんなの捕まる分けないだろ!」
一番前にいた男が司会者に言った。
「いえ、別に…範囲を制限してもいいですが…死にますよ?」
司会者が自信気に言った。
「死ぬ?」
全員が聞く
「ええ、このイベント…只の遊びじゃないですよ…これは…死と隣り合わせの遊び…証拠を御見せしましょう。」
そう言うと司会者は黒い布で覆かぶった水族館にある水槽と同じぐらいのケースからその黒い布を10人がかりで取った。
「なんだよ…これ」
「おい…嘘だろ…」
そのケースに入った物は
本当に醜い鬼だった。
「と、言うわけです。では皆さん、あと二十分したらこの鬼を放します。ああ、あと…逃げれませんよ…この街は完全に包囲しました。街から出ようとした者は警備している鬼に殺られます。その鬼は出ようとした者だけ殺りますから大丈夫です。尚、このイベントは…一人になるまで続けられます。あっ!放送はヘリからします。安心して下さいね♪あと、一億も本当ですから」
司会者は笑って全員に言った。すると50人は背筋が一瞬について凍り付いた。
「ふざけんな…」
男は拳を震わしながら司会者に言った。
「なんで、こんな事するんだっ!!」
「意味なんか、貴方に教える義理はない♪」
司会者は顔の表情を変えず笑顔のままだった。
「う…ウワァァァァッ!!!」
他の男が声を上げると一斉に50人は逃げていった。
死の逃走劇が今始まった…
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