『始』

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やばい、どうしよう。どうすれば切り抜けられる!?(そんなの簡単さ。そのまま欲求に身を委ねればいいのさ。そうすれば楽になれるぜ。) 確にその通りかもしれないな。 (だめだよ、そんなことしてはいけないよ。欲求に身を委ねればその後いつもみたいに後悔することになるんだよ。) そうだ。ここで欲求に負ければいつもみたいに後悔するんだ。でも、どうしよう、どうすればいいんだ。 「くそー眠れねー!」 「おーい後藤喧嘩うってんのか?」 そう実は今は昼休みを終えて丁度眠くなってきて、5時間目に体育をやった後の古典。眠気も最高潮なところだった。しかし俺の中の天使と悪魔の囁きで眠気が醒めてしまった。 「そんなに眠いならここ読んで貰えるか?」 え?どこだ?いま、どこを読んでいたんだ?そうだ!こういう時の坂井だ! 「坂井、今どこよんでいるの?」 と、小声で聞いた。 「いまは、96ページの最初だよ。」 と小声で返してくれた。 「ありがとう坂井。後でなんか奢ってやるよ。」 「おーい、後藤早くしろ」と、言われ素早くページを開いた。 「えーと、昔男ありけり。・・・・。」 読み終わった。途端 「じゃあこの話を書いたとされているのは誰だ?」 え?いきなりそれはないだろう!なんかないか?それっぽい名前を言ってみるしかないか。 「在原業平(ありわらのなりひら)です。」 少しのあいだ沈黙が流れたあれ、やっぱり違ったか。「後藤、よく分かったな。正解だ。」 え?あってんの?かんだったのに。 そうして、授業は終わった
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