『始』

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「いやー坂井助かったよ、流石だな、親友。」 6時間目が終わって掃除をしている最中だった。 「まあそれはいつもだからいいけど。でもよくわかったね。僕は分からなかったよ。」 この坂井という人物は一言で言えば『天才』これに限る。なぜなら、頭脳明晰、スポーツ万能そして眉目秀麗でなおかつ金持ち。 天は二物を与えすぎだろ。「いや、なんとなく勘だったんだけどな。むしろ俺の方が驚きだよ。」 本当に驚きだ。いきなりそれらしい名前を出したら当たっているのだから。驚かないほうがおかしい。 「ホント、なんでだろうね。だって予習とかしてないでしょう。なのに、よく分かったよね。ま、それはそれで。帰りにジュースでも奢ってよ。」 あ、そう言えば約束したんだっけ、忘れてた。 「忘れてたわけないよね?自分から言ったことなんだから。」 と、冷たい笑顔を浮かべながら言ってきた。 坂井、お前が怖いよ。 「じゃあ、コンビニにでも寄ってくか。」 そう言って学校を後にした。
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