80人が本棚に入れています
本棚に追加
/57ページ
ザシュッ
ブシャッ
「!?」
剣護は目を見開いた。まさかホントに血が出るなんて思ってもいなかったのだから当たり前だ。
それが飛び散る映像がスローで流れる。
バシャッビチャビチャ…
黒ずんだ紅い液体は足下に小さな水溜まりを作り、剣護に降りかかった。
「鉄の…匂い…」
その紅い液体が本物の血である事を理解するのにさほど時間は掛からなかった。
「い、いやぁぁぁっ!!」
血を見た帝は泣き叫びながら崩れ落ちた。
花音も横で呆然と立ちつくしている。
『…ア゛…ア゛ァ゛ァ…』
「なっ…」
剣護が切ったゾンビはまだ倒れずに向かって来る。腹が裂けているのに。
「ケン!伏せろ!」
そう言われ咄嗟にしゃがむ。刹那―…
バンッバンッバンッ
先ほどの声は勇留のモノだった。彼に撃たれたゾンビは頭から血を噴き出しながら倒れた。
「あ、ありがとな、勇留」
「いいって。どうせやるしかないんだ…」
剣護のお礼に対し、勇留は銃に弾を込めながらそう言った。
「狙うなら頭だ!ゾンビは頭が弱点だと相場が決まってる」
「頭だな。わかった!」
最初のコメントを投稿しよう!