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夕方近くに、その珍客は訪れました。
まるで魔女のような老婆が、白雪姫の家にやってきました。
腕にある籠には、籠いっぱいの櫛が入っていました。
「これ、そこのお嬢さん、櫛は如何かね?」
「いりません」
「そう連れない態度をとるもんじゃないよ。とても素敵な櫛なんだよ」
「いりませんったら」
「使ってみればわかるよ。ほら、婆やが髪をとかしてやろう」
惹かれながらも頑なに断る白雪姫の髪を、老婆が掴み、櫛を通しました。
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