5人が本棚に入れています
本棚に追加
/20ページ
カナ:「小夜先輩~」
小夜の姿を見付けたカナは、手を振りながら小夜に近付いていく。
小夜:「ぉ、伊藤。サラは見つかった?」
カナ:「まだです。先輩は?」
小夜:「こっちにもいなかった。」
校内を一通り見回って、サラを見つけられなかった二人は、どうしたもんかと一息ついた。
怪盗ナイトの足取り探す!とか言って、放課後になるや飛び出していった、捕獲団の団長こと伊藤サラを小夜とカナは手分けして探していた。
小夜:「どこいったんだろうな。」
・・・と、小夜が頭をかしげたその時、バンバンバンバン!!
サラ:「あんにゃろー!!!!」
黒板を叩く音と共に、サラの叫ぶ音が聞こえる。
声が聞こえた教室にたどり着くと、サラが悔しそうな顔をして黒板を見ながら教壇の上に座っていた。
小夜:「サラ、黒板壊れちゃうって。。」
小夜はサラをなだめるように言うが、サラの怒りは収まらない。
サラ:「怪盗ナイト! あいつは、あたし達を馬鹿にしてるとしか思えない!」
カナ:「達というか、お姉ちゃんを、みたいだね・・・w」
興奮するサラを横目に、カナは冷静に黒板に書かれた文章を眺めた。
"私の目的は、達成された。いつも手伝ってくれるサラ君には、感謝しているよ(笑)
それでは、また宜しく。捕獲団の諸君。 from_怪盗ナイト"
小夜:「これはまた、挑発的な文章ですね……。」
カナ:「まぁ、確かに……手伝っちゃったみたいですからね……。」
犯行が行われたその日の放課後、犯行予告が書いてあった黒板に、怪盗ナイトからのお礼が書いてあった。
それを見つけての、この騒ぎである。
・・・・・
サラは、犯行予告があるたびに、予告文を解読し、「いつ、何を盗るのか」を推理して、怪盗ナイトが現れるのに備える。
が、いつもその推理はどこかずれており、サラの行動が裏目にでてしまうのだった。
今回も、そうだ。
……昼休み終了のチャイムがなった瞬間に、窓際に駆け寄るサラ。
クラス中が、そのサラに注目している間に、さらり犯行が行われてしまった。
気付いた時には、被害者の悲鳴が上がっていたのだ。
最初のコメントを投稿しよう!