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六月のはじめに体育祭があった。
体育祭の日は、雲一つない快晴だった。
私は、あまり日差しの下にいるのが好きじゃなかったから、ほとんど日蔭にいた。
「神楽。」
「ん?あぁ。珪。」
「おまえ、リレーの選手に選ばれたんだってな。」
「うん。珪は?」
「逃げた。」
「そっか。珪のクラスは、誰がアンカーなの?」
「女子は知らない。男子は・・・そうそう姫条っていうやつだ。」
「へぇー--。」
「頑張れよ。」
「なにを?」
「リレー。」
「あぁ、うん。ありがとう。」
「俺、リレーまで昼寝してくる。」
「起きれるの?」
「さぁ。」
「そういうと思った。」
そうして、珪はどこかヘ行ってしまった。
私も、暑かったから日蔭の方へ行って休むことにした。
木々の多いところで、木に寄り掛かって座っていると、眠くなってきた。
そして、私はいつの間にか眠ってしまった。
まだ、リレーには時間があったし、いいかなと思っていた。
随分眠っていたような気がして目が覚めた。
木々の間から差し込む光は、少し目にいたかった。
ふと気がつくと、ジャージがかかっていた。
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