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「・・・。」
「今は聞かない・・・でも、話せよ。いつか・・・。」
「・・・うん。」
私としてはなにもなく、変わった感じはしないのだが、珪には変わってしまったように感じるようだった。
私は変わった?
「お前の傷を、癒すためにも・・・。」
「珪・・・ありがとう。」
「別に・・・。」
「ありがとう。」
「・・・お前の両親はどうしてる?」
「二人とも、外国で仕事してるよ・・・。」
「連絡とかは?」
「全然だよ・・・。向こうの番号も知らないし。」
「手紙は?」
「来ない・・・。」
「そうか。」
「珪は、両親と、一緒に来たの?」
「いや、父さんも母さんも、仕事で向こうに残ってる。」
「珪も・・・同じか。」
「あぁ・・・。」
「入学式の日なのにごめん。気分が暗くなっちゃったね。」
「いいさ。まぁ、久しぶりに会えてよかった。」
「うん。これからよろしく。」
そして、二人ではばたき学園に向かう。
学園は新入生とその両親で溢れていた。
特にそれを気にせずに私は入学式の会場へ入った。
それから、数分もすると珪が立ち上がり出口の方に歩き出した。
「あれ?珪。どこか行くの?」
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