恋情

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(好きです、好きです慎吾さん) 口の中で呟いて、俺は悲しくなった。 慎吾さんは俺なんか見ていない。 利央を、利央だけを見てる。 「好きです、」 「誰が?準太。」 「ぅぅうわ慎吾さん!!?」 「あ、ひっでぇなその反応…。慎吾さん傷付く~。」 ムッとした顔をして慎吾さんは言った。 俺が慌てて謝ろうとしたらククッ、と喉を鳴らして慎吾さんは笑った。 (綺麗、な) 野球部の割に焼けていない、白い首。筋が、喉仏が。 全てが美しくて、 俺は気付いたら泣いていた。 (俺は貴方とは遠いみたい)(悲しい、哀しい)(苦しい、よ)
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