はじまり

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樹木町それが親父が残した町の名だ。 とは言ってもこの名を知り得るのは親父が死んでから10年も後の事だ。 親父は俺が15の時に死んでしまった・・・お袋と俺と幼い妹を残して。 その時の我が家は火の車そのものだった。 良くある事なのだが家も事業に失敗したのだった。 親父は昔はある企業の社長で社員も500人を越えていて、結構繁盛していたそうだ。 しかし、ある日一緒に会社を起こした中学時代からの親友に裏切られ やってもいない事を色々暴露され、結局責任を取らされ辞任、ついでに起業時に借りていて未だ返せていなかった借金1億円を背負わされる事になってしまった。 ちなみに会社はその時の混乱からその親友に載っとられた形になってしまったのだったが。 そのお陰で俺は小学卒業後新聞配達等をしながら中学に行って給食費やらその日その日の飯代を稼いでいた。
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