旅に行く支度は入念にね、馬越君。

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「お、おい!あいつ誰なんだよ?そんなにやべぇのか!?」 龍平が谷口に聞いた。谷口はすぐに 「ああ。あいつの名前はレックス。パワーと戦闘においてのセンスや戦術はずば抜けている、ガナッシュの実質の右腕だ」 と答えた。 「おい…それってやべぇだろ。助けに行くぞ!」 龍平がそう言って、増田を助けに行った。 「おい!もうやめろ!それ以上増田に何もすんな!」 龍平がレックスに向かって怒鳴った。 「今度は俺達が相手をしてやるよ!」 霜ちゃんも福田も怒りを隠せないようだ。その中で馬越は、 「もうホント謝るんで、本当にもう止めてください。そしてこちらからは何もしないので助けて下さい」 とヘタレ極まりない発言をしていた。 すると、レックスは、 「まあ待て。こいつはわしに向かって剣を振るったから少しやってやっただけだ。貴様らがおとなしくしておけばわしが攻撃することはない。それとこの……増田はまだ死んでいない。早く治療をしないと本当に死ぬぞ」 「お前……ふざけんな!このまま引き下がれるかよ!」 福田がそう言ってレックスに向かって杖を向けようとした。その時谷口が 「待て福田!レックスも言っただろ?まずは増田の手当てが先だ。悔しいのはわかる。俺だって悔しいさ。でも今の俺達が束になってレックスにかかって行ったって絶対勝てない。だから今は堪えるんだ」 福田はくそっ、と言って増田の元へ駆け寄った。 「それでいい。また今度会う時に闘おう」 レックスはそう言って空に飛んでいった。 「増田!増田!」 龍平が必死に呼びかけているが、返事がない。 「福田!回復呪文使えるか?」 「まあ、応急処置くらいなら出来そうだよ」 そう言うと、増田に向かって回復魔法を使った。 「どうかな……?」 福田が心配そうにしていると、ついに増田が目を覚ました。 「よかった~。やっと目をさましたね」 「………ん…みんな……」 しかしそう言ったところでまた目を閉じた。 「これってとりあえず村の宿屋で休ませた方がいいよね?」 霜ちゃんがそう言った。そしてみんなは村の宿屋に向かった。
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