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「はぁ……」
俺は下校途中、大きく溜息をついた。小松麻紀の事で頭がいっぱいなのだ。小松さんという人は、背は普通で、髪がショートヘアー、そして笑顔が可愛いらしい女の子だ。
『彼氏とかいるのかなぁ』
何て事を考えていると、また溜息が出てきた。
「どうしたんだよ。そんな大きな溜息ついて」
俺がいつもと様子が違うと思った上里龍平(うえさとりゅうへい)が、心配して言ってくれた。上里龍平は、いつも学校の登下校を一緒にしている友達だ。運動神経が良く、背も高いが、頭はあまり良くない。
「実は俺……好きな人ができたんだ」
「え、誰誰?」
龍平は興味津々らしく、少し笑いながら聞いてくる。
「同じクラスの小松さん。今日ちょっと惚れてしまった」
馬越は照れ臭そうに言った。
「あー、小松さんね。まあありなんじゃない?」
龍平が少しニヤつきながら言った。
「もう告っちゃえば?お前ならいけるって」
龍平がそう言った。
「本当?いけるかなぁ」
そんな感じの話をずっとしながら二人は帰っていった。
「うーーん」
馬越はその日ベッドに寝転んで夜までずっと考え込んでいた。そして、ようやく一つの答えを出した。
「明日、小松さんに告白しよう」
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