馬越の登竜門 Ⅰ

3/9
前へ
/55ページ
次へ
宮殿に入ると、中には仰々しい大蛇の石像がたくさん並んでいて、その奥に下に下りる階段があった。 「うわぁ、広いなぁ。こんな建物がよく地中にあったなぁ」 霜ちゃんは宮殿の中を見渡している。その横で龍平は石像の大きさに驚いていた。 「でかいなぁ。普通の蛇の何倍くらいあるんだろ?」 そう言っていると、増田が、 「そんな事してないで、早く階段下りようぜ!」 と言って階段の方を指差した。 「ちょっと待ってよ!」 みんなが階段の方に向かっていると、馬越が何かを見つけた。 「何してんだよ馬越!置いていくぞ?」 龍平がそう言うと、 「待って、なんかあるんだ!」 そう言ってそれを龍平に見せた。 「これって……蛇の形をした指輪だよな?何でこんなところに?」 龍平が考えていると、馬越がその指輪を自分の指にはめた。 「どーお?似合ってる?」 その時だった。
/55ページ

最初のコメントを投稿しよう!

30人が本棚に入れています
本棚に追加