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今日もまた一人、一緒に狩りに来ていたハンター仲間が逝った。
ドドブランゴの爪が着込んだ鎧ごと心臓を深く抉り、即死だったらしい。
雪山の真っ白な新雪の上に血華と呼ぶに相応しい紅を振り撒いて、駆け寄った時にはすでに彼は静かに事切れていた。
それでも何とか仕留めたドドブランゴはキングサイズで、皆それがせめてもの手向けだと言って俯いた。
吹き降ろす風の音を鎮魂歌に、勇敢だった仲間に黙祷で最期の別れを。
血の気の無い肌はすでに青白く、凍える風は遺体をみるみるうちに冷たく硬くし、一層彼の死を際立たせる。
しかし、死者を悼む長い黙祷の最中、ただ一人がある気配に気付き目を開けた。
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