dey to one

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 それは、デスギア一式を身に着けた男。  背には身の丈程もあるクリムゾンサイス。    いつの頃からだろう、彼の存在に気付いたのは。    音も気配も無く、仲間の最期に彼は必ずそこに居る。  誰一人として気付かない、自分にはあんなにはっきり見えているのに。    顔も視線も髑髏の仮面に覆われてよくわからない。  ただいつも、静かに死者に寄り添うように立っている。   「……」  そんな彼を、いつの間にか見つめている自分がいる。  ただじっと彼だけを、周囲の世界など目に入らないほどに。    最初は好奇心だった、でも今は……。
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