~胎動~

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例えば、個人の存在についての定義をしてみよう 今の人間は、組織の中で生きている 組織は個人の集まりで結成されたモノであり、社会というモノは、それのハイエンド級の存在である そして、組織の性質上、組織は、それに属する個人を埋没させる傾向がある 要は、組織というモノは、個人を認めていないのだ そして、組織と同属の社会も然りであろう しかし、ここで個性についての問題が浮上してくる 仮に、社会が個人を認めないというのであれば、個人に備わる個性はどうなるのか 答えは簡単かつ明瞭、個性というモノは、社会には必要のないモノだ だからこそ、個性のない、社会に同調した他人と違う行動をして、自分には個性があるといわんばかりに社会に対して悲鳴を上げる個人、例えば不良やヤクザを、社会は、ゴミ・クズと呼ぶ 要は、社会にとって彼等はバグなのだ システムに同化出来ずに反発するプログラムは、バグとみなされ、攻撃を受ける それだけの事 しかし、社会においては、そのバグこそが、個人という単位を守り抜く最後にして唯一の手段なのではないだろうか……
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