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「ねぇ、何で毎日来るの?」
「何でって、リョウ君と色々お話したいから。リョウ君は私と話すのは嫌?」
カラカラと笑う恥ずかしげもない彼女に、僕は思わず言葉につまる。
初めは気まぐれだった。別に誰がいても変わらないし、誰がいなくても変わらない。
「別に、君がどうとかじゃなくて、他人に興味がないから」
僕の質問も、受け答えも。普通の感覚からすれば、無遠慮で、嫌な言い方になるのだろう。
しかし、彼女はそんなことは、全く意に介さない。この2、3日ずっとそうだ。
僕から話しかける事は無かったし、たまに彼女に話しかけられても、適当に相づちを返すだけ。楽しいはずも無いだろうに。
「リョウ君は何で毎日ここに来てるの?」
「……1人の方が楽だから、誰に合わせる必要も無いし、他人は何考えてるのか分かんないから」
「怖いの?」
「は?」
怖い?
「人にふれるのが」
彼女は僕の方を真摯に見つめていた。
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