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「私も怖いかな、私も人が苦手だから。本当は今もリョウ君に嫌がられてないかって、怖くて仕方ない」 「なら何で俺に?」  一瞬戸惑った顔をした彼女だったが、芝生から起き上がり車椅子に座ると、切なそうに笑顔で振り返った。 「それでも人だもの。1人では生きていけないから、怖がって誰とも触れ合えないなんて、寂しすぎるでしょ? ごめん、今日はもう帰るね」  サクラは、車椅子を進め 「……やっぱり……リョウ君は私とそっくりだね」  そう言い残して行ってしまった。 「怖い……これが怖いってことなのか?」  生け垣の向こうに彼女の小さな背中が見えた。 「寂しすぎる……か」  起こしていた体を芝生に放り出し、目をつぶった。 「同じ……アイツも怖い……寂しいのかな……」  彼女がいなくなった隠れ家は、風も、花も、どこか寂し気で、まだ日も暮れないうちに、僕は耐えられなくなり、逃げ帰るように病室へと戻った。
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