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 僕は遂に耐えられなくなり、彼女の病室を訪れた。  看護士伝いに容姿を尋ねると病室は意外とすぐに分かり、入院棟の1階、1番奥の部屋が彼女の病室だと知らされた。  しかし、彼女の病室の前まで来たのはいいが、何と言えばいいのだろう?  謝るでもない。  何を尋ねるでもない。  どうしようと病室の前で立っていると、病室の戸がスーっと開いた。 「あれ? リョウ君、何やってるの?」 「い、いや、ずっと来ないみたいだから、どうしたのかと思って……」  不意をつかれた僕は、つい本音が出てしまった。彼女は少し驚いていたようだったが、すぐに笑顔になり、僕を部屋に入れてくれた。 「ごめんね、しばらく体調が良くなくて、寝込んでたの」  僕は近くにあった丸椅子に腰を降ろした。 「フフっ、心配してくれてたの?」 「……よく分かんないんだ。君が来ない間、ずっと何をやっても楽しくなくて……君に会う前に戻っただけのハズなのに、何もしていなかったのに、君といた時間が凄く大きくなっていって……」  まだ話すことも、まとまっていなかったはずなのに、なぜか彼女の前では、言葉が口をついて出てきた。
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