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予想に違わず今年の夏は例年よりも暑かった。
まだ6月なのに、テレビをつければ「~県では32度を記録しました」とか「全国で~人が、熱射病で倒れました」だとか、そんなことばかりが伝えられていた。
学校に戻った僕は、ちょっとしたスターのようにクラスメイトに囲まれ、代わる代わるに、僕が入院中の出来事や話を聞かされた。
「おぉーいHR始めるぞ席着けー、おっ? なんだ上杉、やっと出て来たか。後で保健室に顔出せよ」
人だかりをかき分け入って来たのは、保健医兼担任の桜庭先生。医療者とは思えない無精ヒゲを生やし、自由な性格の持ち主で、男子からはそのヒゲと呼ばれている。
この人は嫌いではないが苦手だ。呼ばれた理由は大体分かっているので、僕は『なるべく忙しそうな放課後』に、保健室へ向かうことにした。
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