第4章─兎の穴に墜ちる

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と、言うわけで 俺は教室から出て暗い廊下を生徒玄関目指して歩いてる訳なんだが…… (………おかしぃ) そう。 おかしぃんだよ… いや、『うわ~マジウケるんですけど~ぉ』とかの『おかしい』じゃないぞ。 まぁ、聡明なる画面の前の皆さんはわかってるとは思うけど…一応。 ココでの『おかしい』は『奇妙』とか『変だ』とかの方ね。 で、何がおかしいかと言うと…だ。 まず、俺が教室を出たのが6時30分。 節電の為に廊下の電気を消すのは…まぁ、わかりたくないけど仕方がない。 ウチの学校貧乏だから!! しかし、おかしい… (なんで職員室…真っ暗?) 俺にとって遅い時間でも、先生達は確実に残ってる時間だ。 なのに職員室は真っ暗。 真っ暗ってゆーのは、本当に真っ暗で、電気消えてても多少は中が見えたって良いのに…まるで曇り硝子の向こうみたいになんにも見えない。 (ウチの職員室は曇り硝子なんて使用してない) しかも、それが職員室だけじゃない。 通りかかる教室は全部職員室と同じ状況で、中の様子がまるで見えない。 あまりにもそれが不気味に思ったので一つの教室のドアを開けてみようと試みたが…………… ガタッ ガタッ 古びた扉はガタガタと揺れるだけで、俺に向こう側を見せてはくれなかった。 (鍵かかってる?……いや、でも………) はたして教室に鍵など付いていただろうか??? 少なくても俺が開けようとしているドアに鍵穴は無い。では、建て付けが悪いのか?? (……………) もう、そんな事を考えるのも面倒になってしまって おとなしくドアから手を放した。それに、これ以上頑張ったら木製のボロイ扉はいつか壊れてしまいそうだった。 (…そして、もう一つの難題) 俺は今、生徒玄関目指して歩いてる。 そりゃもう、歩いてる。 な.の.に だ!! さっきから景色がまったく変わらない。 歩いてるよ。 俺は!! しかし景色がまったく変わらない。 行けども行けども ……因みに生徒玄関は目の前だ。 俺の足は動いてるのに 景色は俺の真横にある『保健室』から変わってくれない。 まるで『保健室に行け』って言われてる様で本当に嫌だ。 なんでこんな奇妙な現象が?? また俺は何処かで眠ってしまっているんだろうか? これはさっき夢の続きか???それとも俺は教室で寝てるまんまなんだろうか????
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