第4章─兎の穴に墜ちる

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(忘れてた…。あの大泣き兎はどうなったんだ??) キョロキョロと辺りを見回すがそれらしい人影は────ドンッ 俺が乗ってたガラスの乗り物が『何か』に衝突した。 あまりに大きくてぶつかるまで、そこに何かが有ると気付かなかった。 「……黒い…山?壁?」 見上げると、かなり大きい。山かな…壁かな…と、思ったが………… 「…山とか壁とかって…泣くの?;」 その大きくて黒い物体の峰の方から滝の様に水が流れてきている。 で、さっきから有り得ない程の泣き声が大音量で聞こえてる。 (……なんか、いやな予感がする…) 「…とにかく…どうすっか…。扉くぐるにしてもなー…」 扉を一別。 あぁ、なんかもう… 実際 わかってる。 あの扉を見てからなんか変だなーとは、思ってた。 だって 扉が 物凄く でかくなってますもん。 で、改めて見ると俺の乗ってるガラス… おもいっきり さっき 俺が飲んだ毒物入ってたビンだよ!!!!! んで、極めつけ。 この黒い物体って……………………………………………※泣き声に耳をすましてみましょう※……………… 「なんで…なんでアリトは僕のこと…好きになってくれないんだ……。や、やっぱり…あの時殺しておけば…く、苦しい……これが恋なんですか?!!」 うっわー……… これで、判明してしまった。 謎は全てとけた。 ジッチャンの名にかけなくても。 今の俺は、まるで彼の『体は子供!頭脳は大人!』な名探偵コ………いやいや。 それより達が悪い。 俺の場合は『頭脳は子供…………体はミニチュア』だ。 そして名探偵でもない。 だから謎がとけても解決できない。 誰かクールでミステリアスな美少女に逆アポ●キシンを… ──いや!こんなオタクトークかましてる場合じゃない!!!; しっかりしろ!俺ッッ!!!!! (でも、どーすりゃ…) まぁ、すんごく気は進まないんだが… まずは洪水の源をどうにかするべきだろう。 弱ぁく決意すると 俺はデカイ黒い山脈を登る事にした…が、俺の登山はすぐに終了した。 「…Σん?アリトのにお…アリトの気配?!!」 ……え? 今まで泣いていた山は急に向きを変えた。 そして今…すんごく引っ掛かる発言をした。 (…今、においって言ったぞ…;)
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