第4章─兎の穴に墜ちる

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「では、アリト。 行きましょうか」 スクッと兎は立ち上がって俺に手を差し出す。 俺はそれに軽くつかまり続いて立ち上がる。 「行くって…何処に?」 「……まぁ、とりあえずは扉の向こうへ。…その後は……のちのち話していきますから」 兎はピョンピョンと機嫌良く跳ねながら扉に向かう。 そういえば、さっきまでの大洪水は嘘のようになくなり、しかしソレは嘘では無かったと足元に僅かに残った水溜まりと…… ビショビショの俺自身が証明している。 (…気持ちわり…) 重力が…Gが… それでも俺は自分を震い立たせて兎の後を追う。 …いゃ、もう…ね。 半なんにも考えたくないんだよ…ホント。 あと何分後かに夢から目覚めて泡くってる自分が居ると信じてる。 祈るように 扉をくぐった。 †TO be continue…
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