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「………」
─…扉の向こう側は
…………暗黒の森でした。
「………うわぁ」
それしか言いようが無い。とにかく暗くて、空気がしこたま重い。
木々がドス黒い色をしている。
きっとこの森を抜けたら
魔王の城みたいのが見えるに違いない。
希望もなぁーい
夢もなぁーい…♪
あぁ…
駄目だ…。
ここの酸素吸ってるだけで鬱になる。
俺は無意識に頭を抱えた。
「アリト?大丈夫ですか??疲れました?休みます??」
俺の頭2個分位上の方から無駄にテンションの高い声が聞こえてくる。
「…お前、心配してるんなら心配してる様な声出せよ……」
「いや、もちろん心配はしてますけどね。アリトが僕の側にいてくれるのが嬉しくって嬉しくってvV」
「………」
いいや。
コイツの態度は
もう いい。
それより大事な事がある!!
「結局さぁ…この世界に俺を呼んだのってお前なのか?」
いきなり 学校から変な世界に引っ張り込まれて…
なんだってんだ。
「…呼びはしましたけど…
最終的に応えたのは…アリト。貴方ですよ?
僕はアリトの望みに力を添えただけ。
アリトの望みが僕の真実。だから僕はアリトが望む通りにしただけです。」
……ちんぷんかんぷん だ
「…お前の言葉通りにするとさぁ…。
この変テコ世界に来る事になったのは俺が望んだ事で…」
「そうです」
「…これは やっぱり夢とか幻とかドッキリとかイリュージョンとかでは無い訳だ?」
「……?イリュージョンとかドッキリとかは…よくわかりませんが、夢でも幻でも無く、アリト…今貴方が立っているのは現実世界ですよ」
信じてる訳じゃない。
鵜呑みにしてる訳じゃない
俺は、やっぱり夢じゃないかな?…って思ってる。
だけど、この悪夢から覚めない限りはココが俺の現実に違いない。
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