第5章-笑う縞

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「………」 ─…扉の向こう側は …………暗黒の森でした。 「………うわぁ」 それしか言いようが無い。とにかく暗くて、空気がしこたま重い。 木々がドス黒い色をしている。 きっとこの森を抜けたら 魔王の城みたいのが見えるに違いない。 希望もなぁーい 夢もなぁーい…♪ あぁ… 駄目だ…。 ここの酸素吸ってるだけで鬱になる。 俺は無意識に頭を抱えた。 「アリト?大丈夫ですか??疲れました?休みます??」 俺の頭2個分位上の方から無駄にテンションの高い声が聞こえてくる。 「…お前、心配してるんなら心配してる様な声出せよ……」 「いや、もちろん心配はしてますけどね。アリトが僕の側にいてくれるのが嬉しくって嬉しくってvV」 「………」 いいや。 コイツの態度は もう いい。 それより大事な事がある!! 「結局さぁ…この世界に俺を呼んだのってお前なのか?」 いきなり 学校から変な世界に引っ張り込まれて… なんだってんだ。 「…呼びはしましたけど… 最終的に応えたのは…アリト。貴方ですよ? 僕はアリトの望みに力を添えただけ。 アリトの望みが僕の真実。だから僕はアリトが望む通りにしただけです。」 ……ちんぷんかんぷん だ 「…お前の言葉通りにするとさぁ…。 この変テコ世界に来る事になったのは俺が望んだ事で…」 「そうです」 「…これは やっぱり夢とか幻とかドッキリとかイリュージョンとかでは無い訳だ?」 「……?イリュージョンとかドッキリとかは…よくわかりませんが、夢でも幻でも無く、アリト…今貴方が立っているのは現実世界ですよ」 信じてる訳じゃない。 鵜呑みにしてる訳じゃない 俺は、やっぱり夢じゃないかな?…って思ってる。 だけど、この悪夢から覚めない限りはココが俺の現実に違いない。
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