第6章-二度目の指切り

7/11
前へ
/159ページ
次へ
「…なに…今の;」 小指の糸は白い煙りを上げて消えてしまった。 幻か?なら有難い。 「何って? 契約だよぉ~ 涙の契約。」 る…いの 契約?? 「今 青い糸だったでしょ?だから涙の契約。ウサ公のは赤。血の契約「ちょっと待てよ!!全然意味わかんないって!!!」 やっぱり 今度こそ 捨て置けない! 無視するには ちょっと危ないかんじの情報だ。 すっとばすと後々面倒な事になる気がする。 ちらっと兎を見ると 明後日の方を見て業と話を聞かないようにしているらしかった。 「テメェ… おい!そこの黒いの! コレはどーゆー事だ!」 兎はあくまでも聞こえないふりを決めこむらしい。 くそぉ…負けるか 「…兎!黒兎!!……………………………………と、トリスタ…さん!;」 兎は勢い良くこちらを振り向いて俺を数秒ジッと見つめると、 いきなり顔が崩れたかのようにニコォと笑った。 不覚ながら心臓の音が派手に煩い。 美形の笑顔は人を殺せるよ!姉ちゃん!! 「は、初めて…初めてアリトが僕の名前をッ!! アリト!アリト!!もう一度呼んで下さい!是非もう一度!!!!」 すんごい笑顔のまま 顔をおもいっきり近付けてきた。 なんというか… なにがそんなに嬉しいのか今にも泣きそうだ。 「…えっと、トリスタさん。」 「はい!!」 まるで幼稚園児の朝の出席確認だ。 「契約の事について 話してくれるかな?」 「はい!………あ;」 兎は『しまったー』という顔をもろにして、「仕方ないですね」と、半ば自棄になったように呟いた。 その間も左側で猫が兎を始終馬鹿にしている。 内容は「オレの方が早く名前で呼ばれた~」とか「まだ契約の話してないのかよ~ この詐欺師!ペテン師!」 とかだった。 しかし そんなヤジは兎の耳に聞こえていないようだ。
/159ページ

最初のコメントを投稿しよう!

944人が本棚に入れています
本棚に追加