第6章-二度目の指切り

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「デステニーって誰?」 「え?デステニーは─…あ~っ。えっと…」 猫は俺に言う言葉を選んでるらしい。 迂濶にボロを出さないように今度こそ慎重だ。 そしたら意外な事になった。 「デステニーは神様の一人ですよ。アリト。この世界…または時空を守護し管理している方です。デステニーが照らし合わせた運命の人以外とは契約は交わせないんですよ。だから4人集めて契約を交わす…なんて事はそれこそ先ほどの森で落としてしまった時計を見付ける事程可能性は極めて低い」 今まで俺に言うのをあれだけ渋ってた人間(兎)がここまでスラスラばらしてしまっては… 猫の立場がない。 早速猫はつっかかりだした。 「…おまぇさぁ… 人が…ほら…どうにかしようとして「良いじゃないですか。アリトが知りたがっているんですし…もう、隠すとか無意味でしょう?」 「あっ!!テメェ! 一人だけ良いっ子ぶってるように見せてっけどなぁ…オレは知ってっからな。…お前めんどくなっただけだろ」 「…………………………………さぁ。なんの事やらわかりかねますが…」 ─あ。めんどくなったんだな。 あくまでもポーカーフェイスだが長く空いた間が全てを肯定していた。 なかなか そうは見えないが兎はめんどくさがり屋のようだ。 「ん?でも何でそんな話まで俺に言うの嫌がるんだよ?別に良いだろ。神様の話くらい。昔話みたいなモンじゃんか」 すると猫がボソッと呟いた。 「この話すると………出るんだよ」 「は?;;」 いやいやいや。 あいや待たれィ!!; そのニュアンスはあれか?!なんか…こー─ その…夏とか…あのお約束なかんじの? 冷や汗が一気に流れる。心なしか空気も冷たい。 垂れ柳とかあると雰囲気出るかもしれない。あとは…あれだ。 コンビニ行ってヒトダマ君買ってくるか。 「出る、って、何がッスかね、っ?;」 不可思議なスタッカート混じりの口調になった。
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