ﾌｧｲﾅﾙﾗｯﾌﾟの奇跡

開幕戦｢鈴鹿｣

昨年05年ｼｰｽﾞﾝの最終戦は酷い雨だった。その中で僕は｢RECLESS MR-S｣を操り、GT300ｸﾗｽのｼﾘｰｽﾞﾁｬﾝﾋﾟｵﾝ連覇を成し遂げたのだった。
その鈴鹿ｻｰｷｯﾄに新たなｼｰｽﾞﾝの開幕戦として、そしてRE雨宮ﾚｰｼﾝｸﾞのﾄﾞﾗｲﾊﾞｰとして帰ってきた。
決勝5番手ｽﾀｰﾄの雨宮ｱｽﾊﾟﾗﾄﾞﾘﾝｸ RX7は、ﾁｰﾑﾒｲﾄの井入君が吉兆宝山 Zを抜いたりした頑張りもあって、4番手で僕にｽﾃｱﾘﾝｸﾞが委ねられた。
僕は順位を2つ上げて、ﾄｯﾌﾟこそﾗﾝﾎﾞﾙｷﾞｰﾆに譲ったものの、開幕戦2位という2006年ｼｰｽﾞﾝの好ｽﾀｰﾄを切った。
このｼｰｽﾞﾝに、あんなﾄﾞﾗﾏが生まれるなんて…この時まだ誰も知るよしも無かった。