戦場

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戦場

  あっという間に病院へ到着、歩くのもままならないため、車椅子でナースに押して貰って移動する。 簡単な問診のあとレントゲンを撮り、診療室で横に寝かされた。 心なしか少し落ち着いてきた。 「あのー、一体何の…」 『シィーっ!安静にしててね』 一層不安が募る。 病名はなんだろう? すると、別のナースが来て、体温計を口に入れようとした。 『体温を計りますね。 おクチ開けてね。』 白衣を纏ったそのナースは前屈みに近づいてくる。 白衣の胸元から水色の上の下着が見える。 あろうことか、白衣の下は下着以外何も着ていないようで、貫通して下の下着までもが見えている。 …凄いシチュエーションだ。 健常時であれば垂涎(スイゼン)のアングルだが、全くもって興奮しない。 とにかく、この痛みから解放されたい気持ちが勝っている。 もはや、いろんな意味で重症と診断されそうである。  
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