罪人(とがびと)

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コイツにそれが愚行なのかと理解させるのに夜になっちまうな。 かと言って着替えを手伝うのも男として無理だ。   「ジー」   「?」   わかりやすく効果音に振り返ると、床に空いた穴からひょこりと顔を出すルルを発見した。   「ルル、ちょっとこい」   手招きすると穴から這い出てトタトタと近寄ってくる。 サラから終始目を離さないところ、サラに興味津々らしい。   「いいかルル? この子はサラで新しいここの住人」   「はい~」   「着替えの手伝いをしてやってくれないか? オレは別にやらなければならないことがあるんだ」   「わかりましたー」   ルルがビシッと軍人敬礼、サラの手を引いて部屋に入る。 その間にオレはオレの寝室に戻り、瞬時に着替を済ませる。 サラがいると面倒になりそうだからな。 あとはサラの着替えを待つのみ、だが小さい足音が近付く。   「サクラーこれどうやってつけるんですかー?」   ルルが女の上用下着を持って部屋に侵入。そのあとを続いて下着一枚のサラが入ってきて脳がクラッシュ。   「お、オレに! 聞くなぁぁぁぁぁぁ――!!」   数年振りに大絶叫して手で顔を覆う。 だがサラは自分の姿に恥じらうことなく抱きついてきた。   「サクラ」   「コラ! 離れろサラ!」   「サクラ」   上機嫌に名前を呼んでくるがワザとやってんじゃないだろうな。   「ルルー何騒ぎだー」   「サクラちゃんどうしたのよってあらー」   その声はリリとこの場に平穏をもたらすババア。   「ババアどうにかしろ!」   「またまたーサクラちゃんはマニアックなプレイが好きね」   「脳天に鉛弾ぶちこむぞ!」   「ひぅ! サクラが怒鳴った~うわぁーん!」   「すまない、急に怒鳴って悪かった。だから泣くなルル」   「ルル泣いたらダメなんだぞ……泣いたら……うわぁーん!」   「慰めてるのにもらい泣きするなリリ! サラはとっとと離れろ!」   混沌が静まったのはもう少し時間がたってからだった。 朝から疲れる。こんな日が続くと思うとノイローゼになりかねない。 早急にどうにかしなければと思った朝だった。
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