プロローグ

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ディスプレイに映る文字に興味をひかれた。   内容は、タイでトラックに男性が轢かれた事故があったらしい。   しかし、轢かれた男は生きており、トラックの運転手は容疑を否認している。   だが、多数の目撃者に、轢かれた本人も轢かれたと主張し、警察は真相解明に全力をあげている。   轢かれたのに生きてる矛盾を証明する方法なんて一つしかないじゃないか。   その男性も『罪人』と言うだけの話だ。   全く世界というやつは新しいことを認めたがらない。   そのくせして裏では対策を進めている。表沙汰にして困ることか?   まぁ、世界を操る国家と国連の考えなんて俺のような若輩者には分からないか。   さぁて、今日もババアの依頼をこなして寝るか。   開けた窓から塀に飛びうつり、民家の屋根に跳び移る。   満月が良い。今夜は静かに終わらせよう。
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