新学期Ⅰ

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クレア「あと3分で校門が閉まる…此処からだと早くても校門まで5分は掛かる…くそっ、私の足は何故こんなにも遅い!?」 フローラ「…校門閉鎖まであと3分…昨日あれほどお電話差し上げたのに…クレアさん、新学期早々貴女は遅刻してしまうのですか?」 クレア「あと1分…くそ!間に合わない!!」 フローラ「…そろそろ時間ですね」ガラガラ… ガシッ(門を閉じようとしていたフローラの手が止められる) フローラ「!」 ジーン「あと5分、いや3分でいい。待ってもらえないか?」 フローラ「ジーンさん…貴女、自分が何をしているのか分かって言っているのですか?」 ジーン「ああ、これが間違った事だと言うのは分かっている。…ただ、私は学園の規則を守る為だけに、クレアを犠牲にする事は出来ない」 フローラ「ジーンさん………分かりました。貴女がそこまで言うのでしたら私は止めません。…ですが、たとえこの事を私が黙っていたとしても、いずれ学園には知られてしまう事、そうなれば…」 ジーン「粛清は免れない、か…大丈夫だ、お前に迷惑は掛けない。私自身も、覚悟は出来ている」 フローラ「…無事を、祈ります」 門から手を離し、去っていくフローラ。 ジーン「…クレア」 クレア「はぁ、はぁ…!門が、開いている…?間に合ったのか?」 ジーン「!…クレア!」 クレア「ジーン!?お前、どうして此処に…」 ジーン「フローラに頼んで門を開けておいてもらったんだ」 クレア「何だって!?ジーン…お前、そんな事したら!!」 ジーン「言っただろう、この命、お前の物だ」 クレア「何を言っているんだ!その命は誰の物でもない、ジーン、お前の物だ!!」 ジーン「クレア………早く教室へ向かえ、今ならまだ…」 ガシッ(ジーンの腕を掴む) クレア「お前もだ、ジーン。共に…教室へ向かおう!」 ジーン「クレア…」 . . .
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