新学期Ⅱ

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クレア「はぁ、はぁ…っくそ、刈っても刈っても、終わらない…っ」 ルヴルに呼び出され、生徒指導室に足を運んだ私達を待っていたのは、粛清と言う名の…いわゆる¨罰¨のようなものだった。 だがそれは、言う程簡単なものでは無い… 私達はそれぞれ【スタフの間】【南の菜園】に分けられ、罰として下された事柄を一人で黙々とこなしていった。 私に下されたのは¨南の菜園に生えている全ての雑草の処理¨だった。雑草の処理と一言で言っても、ゆうに学園の敷地の1/4はある中庭、それはまさに地獄と呼べるものだった。 だが未だに腑に落ちないのは、私ではなく、ジーンがあの¨スタフの間¨に招かれてしまった事だ。 悪いのは全て私だ… それなのに……… フローラ「クレアさん…」 クレア「?…フローラか、どうして此処に…」 私の問い掛けに答える様子も無く、フローラは大剣を取り出し、背中に構えた。 フローラ「…」 ヒュンッ ズバババババッ クレア「!?」 フローラ「…私の¨風斬り¨なら、効率良く此処の雑草を刈ることが可能です。………これが、今の私に出来る、精一杯です…」 クレア「フローラ、お前………、!そうだ、ジーンは…あいつの方が私より遥かに過酷な罰を受けている筈だ…!フローラ、私なら大丈夫だ、行くならジーンの所に…」 ラファエラ「無駄だ…今、奴の所に行く事は出来ない」 クレア「ラファエラ!?…どういう事だ…?」 ラファエラ「スタフの間では、粛清が行われている間、他の者が出入り出来ぬよう全ての侵入口に学園の者達が立ち、監視を行っている。下手に近付くと命取りになるぞ」 クレア「そんな…っ」 ラファエラ「因みに私はお前達の見張りの為にやって来た。…そこに居るフローラも、今回の事に少なからず関与している。粛清を受ける対象としては十分だ」 クレア「フローラ、お前まで私のせいで…」 フローラ「クレアさん、そう自分を責めないで下さい…私もジーンさんも、自らの意思で選んだ事なのですから」 クレア「…本当にすまない………有難う」 フローラ「その言葉、後でジーンさんにも聞かせてあげて下さいね?…その為にも、早くこの罰を終わらせましょう」 クレア「…ああ」 ・ ・ ・
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