3034人が本棚に入れています
本棚に追加
友人とドライブを楽しんでいるうちに、夜中になってしまったので私達は帰宅することにした。
『この時間帯は通行人も走ってくる車もないから楽だよね~。』
『運転してない人はそう思うかもだけど、運転中に気を抜いたら事故るよ。』
私は苦笑いを浮かべながら言った。確かに夜中なので私達以外に人と会うことは考えにくい。なので人身事故を起こす確率はほぼないのに等しいであろう。
でも、ここらは事故が多発している場所だ。運転中もそのことを覚えているからか、気を張っていた。
しかし、これといって急なカーブもなければ見通しの悪そうな交差点もない。それなのに、ところどころには花が添えられていた形跡がある。事故多発地帯といっても、これはあまりにも多すぎるだろうと内心思っていた。
『なんかさっきから花置いてた跡多くない?』
『事故の多発するところだから、それだけ多いんじゃない?』
『…あっ。』
友人は何かに気付いたようだ。
『あそこにある花はまだ新しいね。それにあの標識ってなかなかみないけど…何だっけ?』
友人は何年も前に免許をとってから、一度も運転をしていないペーパードライバーであるため、運転に関することは頭から削除されているらしい。でも、確かにこの標識に出会うことはまずない。
最初のコメントを投稿しよう!