愛犬

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仔犬に俺はポチと名付けた。そのことをいうと、周りからネーミングセンスがないといわれてしまった。 『実家で飼ってた犬の名前は?』 『ハチ。』 『で、今飼ってる犬の名前は?』 『ポチ。』 『…犬が不憫だ。』 『えっ!?』 『俺ならもっといい名前をつけてやるなぁ。』 『なんだよ。まるで俺にネーミングセンスがないみたいな言い方だな。』 『皆無だろうな。』 『マジっすか!?』 だが、友人は部屋に遊びに来ると、ポチのことを可愛がってくれた。 『今からでも遅くない!今日からアレキサンダーに改名しよう!!』 『人の犬を勝手に改名すんな!!』 『あれ?アレキサンダー?』 『だから勝手に…』 さっきまで一緒に遊んでいたのに、いつの間にかポチは玄関の前にいた。トイレだろうか?俺はポチのところへ行った。 『ポチ?』 ポチは玄関で何かを見つめていた。 その日を境に、ポチはたまに何かを見つめているかのような仕草をするようになった。 『まったく、何見つめてんだ?』 俺はポチと同じ目線になるために、うつ伏せになった。 『…あっ…』 この目線は… もしかしたら… 『…ハチ‥?』
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