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私が飴玉を喉に詰まらせた時、兄ちゃんたちがお祖母ちゃんを連れて来てくれたのだと言う。
背中を擦ったり、逆さまにしたり、掃除機を口の中に入れて吸い込ませようとしたり…
お祖母ちゃんが醤油を飲ませようとした時だった。
詰まっていたはずの飴玉が喉からポロリと落ちたのだった。
私はお祖母ちゃんのお陰で命を取りとめた。
お祖母ちゃんに感謝して、それからというもの命を大切にしようと思ったのだ。
お祖母ちゃんには飴玉を舐めながら遊んだことを怒られた。
それから私が飴玉を食べていると、お祖母ちゃんはうるさく注意するようになったのだ。
私は意識が戻って最初に見た者はお祖母ちゃんでも、お母さんでも、兄ちゃんたちでもなかった。
黄緑色のワンピース(生地がレース)で、髪の毛が長い綺麗な女の人が立っていたのだった。
今までに見たことがなかった人だった。
初めて見る人だった。
今思えばあの女の人が私を助けてくれたのではないか?
だが…私はその人をあの日以来一度も見たことがなかった…
一体あの人は誰だったのだろう?
それからだった。
私が幽霊を見るようになったのは…
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