☆チビの頃

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☆チビの頃

エキセントリックピープル ジヤニスを聞いている。薬に溺れ、ステージの上で燃え尽きたロック.クイーン。 ウッドストックの年に生まれた私は、子供の頃あの時代の、ヒッピーの人や現実離れした理想主義、終末論、や破壊主義を、熱く語る大人の友達に囲まれていた。皆子供に対しても、同等に自分の人生観についてあけすけに話す、かと思うと売春婦の女の人は、いきなり鉄の大きなごみ箱に私を捨てた。母が言うには私の顔を見ると心の中を見られているようで怖かったのだろうと…、だからつい何でも話してしまうのだそうだ。 うちの母は夜中になると、チビ達出掛けるよ!と、私と弟をライブハウスに連れて行く、そこはとてもアクの強い人達の溜まり場で、マリファナとその匂いを隠す為のインセンス=(香水香)や煙草の煙りと匂いで充満していた。 私は、そこで沢山の事を学びさまざまな友達が出来た、針金とビーズでアクセサリーを作って道で売っている人や、自分は、魔女だと言って付けまつげの大きな目をむいて不思議な話しをしてくれたり。 猿を自分の子供だと言って、同じお皿で目玉焼きを出してくれる女の人、 自然やハーブに詳しい人、今のようにエステやアロマとかお洒落な遊びじゃなく、食用や、民間療法に使う。その時に流行っていた自由主義のジプシーや、コミューンの間で伝わる地味な物で、今の人が聞いたらとても理解出来ない、世界感がある。 自分だけの価値観や美徳、強い物や権威への抵抗、悪徳の底に溜まった甘い味、今はもういなくなってしまった人達。あのエキセントリックな人達は、今も私の中に住んでいて、色々な形で自己主張してる。 昔の曲はその時代の沢山の忘れてた事を思い出させてくれる。 母と弟と3人で、家出して車で日本一周をして、大きな月がいつまでも追い掛けて来た事や、神社を挟んで隣同士だったフランスの子とその家のオープンリールのテープで聞くダイアナロスのマホガニー…。 母が逆立ちして、どこまで歩けるか挑戦してる。あの頃20代だった母も今は50代後半なのだが、今でもとてもパンチが効いている。私は母の時代の人間が、大好きなのだBY☆
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