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桜がおめでとうと言わんばかりに、満開となり学園までの道なりを綺麗に飾っている。
学園の門で、この学園の高等部に入学したばかりの2人の女子高生が話しをしている
『うぇ…心臓でそぅ…』
『何言ってるの、これからなれなくちゃいけないんだから、しっかりしてよね!カンナちゃん☆』
『ありがとう…ムツ』
カンナちゃんと呼ばれた子は、茶色のセミロングの髪の毛を触りながら隣の女の子に聞いた
『ムツ…本当に大丈夫かなぁ…』
ムツと呼ばれた子は、少々呆れながら
『堂々としてれば、大丈夫だって!オドオドしてたら、余計に変だよ。舞台だと思って頑張りなさい(笑)』
それもそうか…とカンナは納得し、
『これからもよろしく頼むね、ムツ』と笑顔で答えた。
俺は『紅(くれない)カンナ』男だ。
中学の演劇祭で、ここ聖マリア学園中等部にいたある女の子に一目惚れをし
学園長である俺の伯母の弥生さん『花盛(はなざかり)弥生』に頼み込んで(性別を偽って)条件付きで入学した。
ムツ『睦月里緒』は、俺の幼馴染みで元々この学園の生徒。俺の良き相談相手でもあり、ルームメイトでもある。
ムツをルームメイトにしてくれたのは、弥生さんの計らい。
これであの子も同じクラスだったら文句ねーなー…
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